院長ブログ

⑨EMSOスコア:追記Ⅱ ~変遷する『有益』の定義~

皆様こんにちは。

さて、『がん治療の効果』を測る指標

まだ変遷の過渡期にあります。

1990年代までは、まず腫瘍の径を測り

抗がん剤治療を行った3ヶ月後にまた測定し、

縮小していれば治療効果ありとしていました。

確かにこれは分かり易い考え方です。

しかし意外にも、短期的な腫瘍の縮小が

生存期間(Overall Survival:OS)の延長とは

必ずしも相関していないことが

多くの抗がん剤で次第に明らかとなりました。

そこで、2000年代以降

抗がん剤が認可される条件として

生存期間(OS)の延長が重視

されるようになり、現在に至ります。

ところが再調査してみると、

2009年から2013年の間に承認された

68種の臨床試験のうち、

およそ 『3分の2』 もが生存期間(OS)延長の

明らかな証拠が認められなかったという事実は

前回までに述べた通りです。

そして今、

EMSOスコア(EMSO-MCBS)が登場し

抗がん剤の毒性を差し引いた上での

有益性を評価する時代に

ようやく入りつつあります。

EMSOスコアは

欧州臨床腫瘍学会が提唱したものですが、

実はアメリカ臨床腫瘍学会

同様の意図をもつ指標を提唱しています。

「ASCO-VF」と呼ばれるものです。

「ASCO-VF」は130点満点で

何点から「有益」とするかは明示されていません。

しかし100種以上の臨床試験の内容を精査し

中央値の25点(!)以上を有益としたところ

EMSOスコアの判定とまずまず

一致することが分かっています。

今までがん治療に使われてきた

『エビデンス』とは

まだかようにごく狭い視野の

ただわずかな一面のみを切り取って

観察したものに過ぎません。

ここにEMSOスコアが加味されることで

我々はほんの少し広い視野を得ました。

しかし本当の進歩はこれから到来します。

個人の遺伝子と

個々のがん細胞との相違に対し、

その差をわずかなアミノ酸の塊と免疫細胞で

コントロールする術(すべ)を知ったときに、

治療法は劇的に再編され

初めておぼろげに

別次元の「がん治療」なるものの全容が

見えてくるものと思います。

再編は今後10年で急速に進み、

20年で一部の進行がんは

糖尿病なみに副作用なく長期に渡り

コントロールできるようになるでしょう。

そのときになって振り返れば

今の我々の努力と試行錯誤は

大波にさらわれる泡沫のごとくに

感じられる事でしょうが、

然るにきっとそうでなくてはいけない

とも思うのです。




がんの温熱免疫治療

心斎橋スリーアロークリニック

田中陽一郎

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カテゴリ: 抗癌剤

2018/04/03(Tue)14:18

心斎橋スリーアロークリニック 院長 田中 陽一郎

プロフィール -履歴・経歴-

実父の癌が免疫療法との接点となり免疫療法・温熱療法の第一人者である照沼裕先生に師事。数百例の免疫治療を経験。2009年5月に当クリニックを開院。

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