院長ブログ

⑥使う価値ある抗がん剤は2割未満という結果に。(ESMO調べ)

皆様こんにちは。

さて、さらにESMOで「4」の評価を得た

あと3つの薬剤を御紹介します。

まず、②Lapatinib(ラパチニブ:タイケルブ®)です。

転移性乳がんで、過去に トラスツズマブ(ハーセプチン®)を含む

化学療法を受けるも増悪した、

病理組織が「Her2陽性」かつ「ホルモンレセプター陰性」の

方々に対し試験が行われました。

『ラパチニブ(タイケルブ®)』単独療法と、

『ラパチニブ(タイケルブ®)+トラスツズマブ(ハーセプチン®)』

の併用療法を比較した試験です。

併用療法の方が全生存期間(Overall Survival)を

中央値で4.5ヶ月延長させ、これにより

ラパチニブ(タイケルブ®)とトラスツズマブ(ハーセプチン®)の

併用療法が実臨床で行われるようになりました。



次のお薬は、③Pertuzumab(ペルツズマブ:パージェタ®)です。

これも「Her2陽性」の進行乳がんに対する薬剤です。

トラスツズマブ(ハーセプチン®)とドセタキセル(タキソテール®)

併用した治療が一般的に行われていますが、更にこの上に

ペルツズマブ(パージェタ®)を加えたところ、

全生存期間(Overall Survival)を中央値で 15.7ヶ月延長させました。


最後に御紹介するお薬は、

Vemurafenib(ベムラフェニブ:ゼルボラフ®)です。

悪性黒色腫(メラノーマ)に対する薬剤です。

がんの成長に関与しているBRAF蛋白の変異を

阻害する作用があります。

臨床試験では、BRAF遺伝子変異がある

進行した悪性黒色腫(メラノーマ)の患者さんを選び、

ベムラフェニブ(ゼルボラフ®)を使った群と

従来の抗癌剤であるダカルバジンを使った群とで比べたところ、

ベムラフェニブ(ゼルボラフ®)投与の方が

全生存期間(Overall Survival)を中央値で 3.9ヶ月延長させました。

以上がESMOで「4」です。

さて ESMO「5」と「4」を紹介して参りました。

これらが、2009年から2013年に欧州で承認発売された

抗がん剤 48種類のうち、

第三者機関が『進行がんに対して使用する価値あり』と

評価した薬剤の全てです。

「5」が1つ、「4」の上が2つ、「4」の下が4つ。

これだけです。

また、発売された48種類の抗がん剤のエビデンスレベルは、

必ずしも高くはありません。

「少なくとも一つのランダム化比較試験」を行ったという

『エビデンスレベル1b』すら満たさず

発売されているものまであります。

ちなみに、温熱療法(ハイパーサーミア)

エビデンスレベル1a』の結果を持っています。

免疫細胞療法も、肺がんに対し2016年ASCOの機関誌にて

エビデンスレベル1a』で「有効」と結論付けられました。

オプジーボ等の免疫チェックポイント阻害剤ではなく、

従来の免疫細胞療法について詳細に解析しまとめたものです。

医療者でも、この事を知らない人が多いのではないでしょうか。

ここで、私はエビデンスレベルが低い薬剤を

承認するべきではないとは思っておりません。

希少ながんもありますし、時間の問題もある。

そこは『使いよう』ですから。

選択肢となる武器は沢山あった方がいい。

その人に対し、有効であればいいと思います。

しかし、手強いがんと闘うためには

素直にフェアな目で、あらゆる手段を選択肢に

いれないといけません。

もしエビデンスで語るのであれば、

少なくともエビデンスレベル1aという結果を

しっかり尊重した上で考えなければいけません。

温熱療法も免疫細胞療法も、多くの医療者および研究者が

コツコツと地道に検証の努力を繰り返して

ようやく豊富なエビデンスが蓄積され、

報告の時期に至っている治療です。

温熱免疫治療は、がんと闘うために

貴重で必要な武器であることが

客観的なデータとしても現場の感覚としても

分かっているのですから、使った方が良いはずです。

でも実際にはそうではなく、

案外ただの好き嫌いで判断され

患者さん側は治療を受ける権利さえ

事実上奪われることがあるのです。


松下幸之助翁は素直な目を養う方法について

こう語っています。

「素直な心でものを考えようと決心して

一日過ごしてみる。これを30年続けると

一万回繰り返したことになる。

ここでようやく素直な心の初段になれる。」

また、小説『アルジャーノンに花束を』で

主人公のチャーリーが

高い知能を得たことと引き換えに世の中のからくりが分かり、

落胆するくだりがありますね。

えらいとされた人が実は賢く公平とは限らなかったり、

常識とされていたことも見る角度を変えると

ただ誰かの利便性のために作られた制度であったり

全く異なる真相が分かるのです。

チャーリーのお話は

視点により変わる物事の多面性を教えてくれます。



大阪の温熱免疫治療

心斎橋スリーアロークリニック

田中陽一郎

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カテゴリ: 抗癌剤

2017/12/26(Tue)03:02

心斎橋スリーアロークリニック 院長 田中 陽一郎

プロフィール -履歴・経歴-

実父の癌が免疫療法との接点となり免疫療法・温熱療法の第一人者である照沼裕先生に師事。数百例の免疫治療を経験。2009年5月に当クリニックを開院。

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