院長ブログ

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本当にあった食事療法の話 ⑨

2010/06/29(Tue)16:28

皆様こんにちは。


さて、カロリー制限が長寿をもたらすことは間違いありません。


しかしそれも柔軟に時と場合を選ばなければ

逆効果にさえなりますから注意が必要です。



例えば、僧侶は菜食で粗食のため皆が長寿だったかというと

実際にはそうでもありません。


低栄養の免疫力不足のため

若くして結核で命を落とす者が以前は多かったのです。

結核の罹患率は免疫力低下ととても高い相関があります。


非常時に『省エネモード』では勝てないという事です。



では、癌の場合はどうでしょうか。


確かに、がん細胞は燃費の悪い暴走車のようなもので

大量の『エネルギー』すなわち糖分を消費しながら

増大します。


ということはエネルギー源の糖分を食べなければ

がんは縮んでいくような気もします。


しかし、ここでよ~く考えて下さい。


体力が衰え、食事ができなくなったからと言って

がんの増大がストップしているでしょうか?


いいえ、今度は身体の脂肪、筋肉を糖分に変えて消費します。。。


だから、がんになると痩せてしまうことが多いのです。

結果、食べないとどんどん痩せて体力が落ち、デメリットが大きくなります。



では、食事療法の結論を次回に述べます。(つづく)



 

あきらめないがん治療専門

心斎橋スリーアロークリニック

田中陽一郎

























カテゴリー: 食事療法

本当にあった食事療法の話 ⑧

2010/06/20(Sun)16:00

皆様こんにちは。


さて、『泣く子も黙る』と形容される程

厳しい修行で知られる永平寺。


日々の生活はとても規則正しく、

食事もいわゆる『精進料理』で菜食です。

自然の恵みを頂くわけですが、

『粗食』と言っても良い

低カロリーの食事です。


医学的見解では『抗加齢に利する食事』というのは

菜食が良いか肉食が良いかの話よりも

一言でいえば『低カロリー食』です。

 

どうやら低カロリー食で長寿になるようだ、

という事は昔から経験で語られていました。

 

 

このような話があります。

 

戦争中、ドイツで毛皮のコート用にミンクを飼育していた業者が

エサの供給を維持できなくなり、会社をたたみました。

 

飼われていたミンク達は、かわいそうに

少量のエサとともに放置。

 

戦争がやっと終わり

久しぶりに元社長が恐る恐る動物舎を見に行きました。

ミンク達はみな餓死してしまったにちがいないと

覚悟をしていました。

 

が、何と・・・ミンク達は痩せてはいるものの

ほとんどが元気。

その後は大切に飼われ、皆とても長生きしたということです。

 

 

たまたまだったのでしょうか?

 

 

しかし近年、少食と長寿の関係は医学的に証明されつつあります。

まずショウジョウバエで実験が行われ、

ネズミやサルでも確認されました。

ヒトでも同様であろうと思われます。


少食を日常的に続けると老化が遅くなるのです。

端的に言えば、身体が『省エネモード』に入るのだと思います。


具体的には、カロリー制限で「サーチュイン」と呼ばれる遺伝子群が活性化し

DNAの老化防止に関与する蛋白が造られる事が分かっています。

まだその全容は解明されていません。

生命に関する多くの謎が残されています。


ただ、日々の生活習慣が身体を創っていくわけですから

宮崎禅師の長寿には「宗教上の粗食主義」が少なからず

影響している事でしょう。


しかし、カロリー制限には落とし穴もあります。

それについては次回。(つづく)




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田中陽一郎



 



 



カテゴリー: 食事療法

本当にあった食事療法の話 ⑦

2010/06/02(Wed)10:00

皆様こんにちは。


お坊さんは、

苦労して30 歳でタバコを止めた話など

説法中気さくに述べられるような方なので

闘病中の食事内容も、特に『マル秘』というわけでは

ありません。


しかし父は、私が医師になってから

何の折か『食事バランスと免疫力』という話になった時

家でこの経験談をしてくれたのでした。


私は、入院闘病中のある期間、郷に従い肉類を食したとて

お坊さんの人生全体の価値や凄さ、立派さ、仏の道の崇高さには

これっぽっちも影響を与えないと思います。


むしろ度胸、柔軟さ、真摯で謙虚な心があったからこそだと

その後の過程を見ても分かるわけです。

誠の禅とは決して『かたくな』なものではなく

このように『ナチュラルでニュートラル』なものなのだと

認識させられます。


お坊さんの晩年の映像を観ますと

単純な言葉の一つ一つに

不思議と深みや重みが備わり伝わってきます。

削ぎ落とされてはいるけれど、

しっかり実感がこもっているからだと思われます。


百聞は一見にしかず。

下に動画を添付したいと思います。

アナウンスで享年106歳とありますが

『数え』では108歳になります。

(つづく)


 

 

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田中陽一郎


 


カテゴリー: 食事療法

本当にあった食事療法の話 ⑥

2010/05/24(Mon)23:00

皆様こんにちは。


さて、このお話について

様々な側面から少し

解説をしておきたいと思います。


このお坊さんは知る人ぞ知る高僧となられましたから

晩年のお姿や、その生涯の概略については

御存知の方も多いのではないかと思います。


百を超える高齢と、清廉潔白な人となりが注目され

本やテレビで特集が組まれもしました。


その際、外せないのは

やはり人生の節目となった大病の経験です。

そこでは必ず、主治医に怒られたシーンが出てきます。


実はこの物語に出てくる主治医は

若かりし頃の私の父なのです。


父は、取材をもとに伝記として編纂された書物を読み

『大病が全部坐禅で治ったことになっとるなぁ。』

と言いながら微笑んでいたものです。


父とお坊さんは三年間の長きにわたり

共に病と闘いましたし

お互い漢詩の素養に長けており

歳の差を越え

気脈通ずるものがあったようです。


退院後しばらくして、お坊さんは北海道のお寺に行かれましたが

季節の挨拶等で交流が続いていました。

(つづく)



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田中陽一郎


 

 











 

 

 


カテゴリー: 食事療法

本当にあった食事療法の話 ⑤

2010/05/15(Sat)23:01

皆様こんにちは。


お坊さんはついに

治癒退院することができました。


お寺での日々の修行にもどり

食事も元通り、質素な菜食となりました。


時折思い出すのは幼少の頃

仏の道の手本を示してくれた

親代わりの老師の事でした。


 

えらい人やった。

老師の温かい亡骸に触れたとき

そう心に沁みた。

口だけやなく生涯実行しとった。

できたらあんな坊さんになりたい。

真似をせないかん。


一日の真似ならそれだけや。

ところが一生真似しておったら

真似がほんまもんや。



そして10年が過ぎました。


いつしか20年が過ぎました。


ついに30年が過ぎました。



ふと気がつくと、お坊さんは100歳を越え

長い宗門の歴史上最高齢の

大本山の貫首(かんじゅ)となっていました。


生き仏のような無私のたたずまいは

『九皐の鳴鶴(きゅうこうのめいかく)』の如くで

全国から集まる若い僧の手本となるに十分でした。


奇しくも煩悩の数と言われる108歳で

弟子に囲まれ、老師は静かに

その生涯を閉じたのでした。




物語はこれでおしまいです。

この話には医学的にもいくつかポイントがありますので

次回、若干の解説を加えたいと思います。

(つづく)



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カテゴリー: 食事療法

本当にあった食事療法の話 ④

2010/05/14(Fri)21:09

皆様こんにちは。



幾日経ったことでしょう。


お坊さんは気付きました。

いつの間にか、身体から病が遠ざかっている事に。


そしてまた気付きました。

時が来れば死ぬるも良し、は決して

悟りではなかった。


真の悟りとは

平気で良い時には、平気で生きる事。


自然は太古からそう営んでいる。

素直に見習おう。

日々、新たに生きる。

それが天地自然の理であるのなら。


 

足掛け三年にも及んだ入院生活が

ようやく終わろうとしていました。

(つづく)




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カテゴリー: 食事療法

本当にあった食事療法の話 ③

2010/05/13(Thu)17:00

皆様こんにちは。

さて、翌日。


食事が用意されました。

肉類も入っています。


食欲さえありませんでした。

命の炎は弱々しく、今にも消えてしまいそうでした。


『どうやら、そろそろあの世に行くらしい。』


何と情けなく、辛い事か。

生きるとは何と難しい事なのか。

窓の外では木の葉が風にゆれている。

このそよ風にさえ吹き消されるであろう我が命のはかなさ。


生きることは、生かされること。

生かされるとは、生きること。


お坊さんは悟り、覚悟を決めました。


手を合わせ、肉を一口ほお張り

そしてベッドで無心に坐禅を組みました。

座れるのが不思議なくらいでした。


翌朝、肉類も含め

出された食事を一心に全て食べました。

いつものように坐禅を組み目を閉じました。


座っていると、薄くゆらいでいた命の炎が

一呼吸一呼吸ごとに

しっかりとした色に変わって行く

そんな不思議な映像が浮かんでくるのでした。


次の日も、その次の日も

お坊さんは出された食事を素直に食べ

坐禅を組みました。


あらゆる自然のエネルギーが

徐々に身体に沁み渡ってくるようでした。


次の日も、次の日も。

次の日も、次の日も。

(つづく)




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カテゴリー: 食事療法

本当にあった食事療法の話 ②

2010/05/12(Wed)12:00

皆様こんにちは。


お坊さんは何と、

『粟粒結核(ぞくりゅうけっかく)でした。


粟粒結核とは、大量の結核菌が

血液にも流れ込んでいる状態で

たとえ現代最新の薬を使おうとも

まさに死に至る病です。


はたして、病状はいかなる治療にも抵抗し

悪くなるばかりでした。


主治医は、ある問題に気付いていました。

お坊さんは食事の『肉類』を全て残していたのです。


仏門には『殺生をしない』という意味で

肉食を避けるという教えがあります。


主治医はお坊さんに言いました。


『あなたは大病を患っています。

ここはお寺ではなく、身体を治すための病院です。

このまま栄養をつけなければ、

あなたは死んでしまうでしょう。

お肉もしっかり食べて下さい。

どうか自分の命を粗末にしないで下さい。


つらい身体、かすむ意識の中で

お坊さんは若い医師の説教を聴きました。

(つづく)



 

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カテゴリー: 食事療法

本当にあった食事療法の話 ①

2010/05/11(Tue)12:00

皆様こんにちは。


昔々あるお寺に、

壮年の一人のお坊さんが居りました。


とても厳しい修行で知られるお寺ですが

そのお坊さんは幼少の頃に出家をし、

毎日の修行には違和感がなく

苦痛ではありませんでした。


掃除、読経、坐禅、そして菜食主義

修行の基本でした。


身体は小さかったものの、漢詩が好きでよく学び

今やその宗派では要に位置する中堅どころとして

大きな活躍をしていました。


しかし、いつの頃からか微熱が下がらず

そしても出始めました。


『病は気から』とばかり、

精神統一で体力回復に努めましたが

一向に体調は良くなりません。


ついには高熱で動くことも辛くなり、

大きな病院に入院してしまいました。


そこでは、まだ二十代後半とおぼしき

エネルギッシュで若い内科医長が

主治医になりました。


検査を行い、胸のレントゲンを指して主治医は言いました。

『これは結核です。それも粟粒結核というものです。』

(つづく)




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カテゴリー: 食事療法

がんを治す食事は何が良い?

2010/05/10(Mon)10:00

皆様こんにちは。

 

巷にはがんに効くとされる食事療法の本が

わんさと出版されています。

共通点はだいたい以下のようなものです。


①野菜・キノコ・玄米中心。

②動物性蛋白・脂肪は取らない。

③低塩分。

④低カロリー。


ふ~む。。。

結論から申しますと、

これらはがんの『予防』にはとても良いでしょう。

三十路、四十路の方々が健康に気をつける方法としては

的を射ていると思います。


がん細胞は10年以上かけて目に見える大きさになります。

そのスピードがゆっくりになるとは思います。


しかし、今現在病院などでがん治療を行っている方々が

無理をしてこれを行うメリットはどの程度あるのか、と考えますと

デメリットの方が大きいと言わざるを得ません。


節制を中心とした食事療法を行うのなら、

若い時からの継続こそが真の効果をもたらします。


でも、それが『楽に』できる人はとっくに実践しているんです。

また、もちろん食事療法によって張合いが出て

元気が出ている人なら別の話です。


食は人生を豊かにし、恵みをもたらすものでもありますから

修行のような食事で一生涯満足できる人は少数なのです。


ある出版物を読んだ家族の勧めで、もしくは自発的に

がんに対して厳格な食事療法を試み

逆に体調を崩してしまう例の方が多いというのが

大多数の医師の『実感』ではないでしょうか。


実際の医療現場では、『がんによって食事ができない』、

『充分なカロリーをとれない』事で大変に苦労をします。


食事は生活の質や価値に直結していますから

おいしいものを食べる事は『気力』の面でも

闘病するのに極めて重要なことです。


しっかりした食事ができないために体重が減り、

せっかくの寿命が縮んでしまう事の方が多いのです。


がんになってこそ、食も人生も楽しまずしてどうしますか!

私はそう思います。

節制は、がんになっていない時にやりましょう。


がんそのものの影響や病院でのきつい抗がん剤治療の影響で

食が細ってしまう方々に、当クリニックではお薬を処方しています。


『ヒスロンH錠』及び『プロゲストン錠』という名前で知られています。


食欲低下に対しては保険適応がないお薬ですが、

ステロイドのように免疫力を落とすこともなく

ほんの少量で安全に、とっても良い効果を出します。


『保険適応がない』のは、単に製薬会社の都合です。

『保険診療では処方できない』というだけであり

『処方する事が間違い』な訳では全くありません。


『闘病』はできるだけ楽チンにする方が

実は結果も良い。

嫌なことはできるだけ短めに。


がんと仲良くやっていくには

これが自然の摂理とさえ思われます。




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田中陽一郎




















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